満員だった。
ここのところ、マーラーを演奏すると満員になるようだ。
先月のブルックナーのときは、けっこう空席があった。
マーラーの人気の高さだろうか?
あるいは、指揮の井上 道義氏自身が作曲したメモリーコンクリートが観客を集めたのだろうか。
とにかく、満員で、熱気むんむんの演奏会だった。
開演前、「携帯電話の電源をお切りください」という内容の看板を持ったスタッフが会場のあちこちに立っていた。
おかげで、最近恒例の携帯電話のコールが会場高らかに鳴り響くということはなかった。
ついでに、「拍手やブラボーは曲が終了してから行ってください」という注意書きも欲しかった。
ここ群馬音楽センターでの群馬交響楽団定期演奏会では、満員のときは、2つある男子トイレのうちひとつが女子用に転用されてしまう。
必要なことなのだろうが、実に不満である。
演奏は、どうだったか。
まず、井上 道義作曲/メモリー・コンクリート
意欲的な作品だと思う。
最初の猛烈な不協和音から、群馬交響楽団の反応も鋭敏で、ぐっと引き込まれた。
指揮者は、全身で音楽を表現しようとする。
身振り手振りがダイナミックだ。
ときには、徒競走のポーズをとったり、いきなり上着を脱いだり、ステージから釣り糸をたらしたりする。
体ごと音楽に身を投じるかのような意気込みを感じた。
自作だから、ノっていたのだろう。
と、いうか、ノらないと、マーラー巨人とは比較にならないのかもしれないが。
音楽は、絵画的、写真的、説明的な、音楽だと思う。
ただ、いろんな音をツギハギしただけのようにも聞こえた。
井上道義氏のダイナミックな指揮姿だけでも楽しめたことは確かである。
その上、群響も鋭い演奏で反応していた。
とくに、ヴァイオリンの鋭敏な響きや、地鳴りのような低弦群の音には恐怖を感じた。
曲が終わって、観客の拍手に無邪気にこたえる指揮者姿が印象的だった。
舞台上をピョンピョン飛び跳ねて喜びを表現するのだからすごい。
普通、指揮者は、指揮台の近くで賞賛にこたえるが、井上氏は舞台の袖のほうで、いきなり、台に飛び乗って体を乗り出し、拍手にこたえていた。
それにくらべると、マーラーの巨人は、いくぶん、もやのかかったような演奏だった。
以前、別のオケで聞いたときも、そんな印象を持ったので、曲自体がそういう曲なのかもしれないが、どうも、全体的に透き通った感じがしない。
個々の楽器が埋没してしまう。
何に埋没しているかというと、なんとなく、もやっとした響きに埋没してしまって、細かいところがぼんやりしてしまう。
CDで聞くと、すっきり聞こえるのに不思議である。
やっぱり、演奏上の問題なのだろうか?
今回もホルンが大活躍だったが、トランペットはお休みだったのだろうか?
低弦群は良かった。
ヴァイオリンは、どうも埋没気味。ごまかしているようにも聞こえたが、まさか、そんなことはないだろう。
ティンパニは押さえがきかないところがあった。
とはいえ、オケの響きは雄大で、圧倒的でもあった。
この曲も、指揮者は大奮闘していたが、ちょっとやりすぎか。
感想をまとめると、オケの反応は今ひとつ。
ちょっと、モヤモヤした感じが残った演奏会だった。
帰り道、近くから「あ〜、ちょっと感動しちゃった」という声が聞こえてきた。
438回定期演奏会
2007/07/21 (土)
開場/18:00
開演/18:45
群馬音楽センター
指揮:井上 道義
井上 道義/メモリー・コンクリート
マーラー/交響曲 第1番 ニ長調 《巨人》
開演:18:45
終演:20:45ころ
今日のBGM 30年以上前の高校時代、こればっかり聞いていた。 今聞くと、これも、なんか、ヘンな演奏に聞こえる。楽譜どおりなのかな? 急に流れが止まったりするものの、メロディをきわだたせて泣かせる演奏
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